【生き霊】
主人公の少年の内なる狂気(神秘主義的、或いは宗教的な)と夢想の悦びをシュルレアリスティックな映像で綴ったベルイマン監督による一代叙事詩。死への憧れ、聖と俗の共存etc…。
監督ベルイマンの「分身=ペルソナ」が画面上に何らかの形で具象化されている点がユニークで、5時間という長尺だが全く飽きさせることははい。北欧映画の凄さをまざまざと感じ取る事ができる。
スヴェン・ニグヴィストの撮影も美しく、家族内の軋轢や人間のエゴ、美への執着心等々今までのベルイマン的な作風がピーキーに達した偉業とも言うべき大作となっている。本作が元々テレビドラマというから驚き。😵
どこか日本の宮沢賢治の童話にも通じる、生と死の境目がつかなくなった少年期特有のアンビバレンスな心理状態が、観る側のイマジネーションを燻る出来栄えとなっていてニンマリする。😎
ラストの台詞に込められた意味よりも少年が体験する幻視・幻覚などのトリップ症状が個人的にはツボだった一作。まさに金字塔的作品。❄️🍀