Dio

ユージュアル・サスペクツのDioのレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
3.3
でんでんでんぐりがえしでバイバイバイ♪

どんでん返しどんでん返し、そんな前評判を耳タコほど聞いてたらいつの間にか、そしてどうしてこんな風に変換されたのか、日本昔話の歌が頭の中でリピートされる羽目に…
豆知識として、こういう頭の中で特定の歌が無限ループしちゃう症状を「イヤーワーム」というらしいですね!止めかたもあるらしく、よく悩まされた学生時代に方法を知りたかったものです。

閑話休題
言わずと知れたどんでん返し映画のレジェンド。
5人の悪党がカイザーソゼと言われる大悪党に翻弄される。何が真実なのか?何が嘘なのか。

娯楽映画としてとても楽しめた。
確かにオチを知ってから何回か見たらもっと味わい深い作品になるだろう。
ただ僕はどうもそうしたいとは思えない映画だった。
それどころかレビューしなくても良いかなとすら思ってしまっていた。
映画自体は間違いなく高いレベルで面白いのに。

ではなぜか?
それは僕自身がどんでん返し映画に向いてないという性格にある、そう行き着いたからだ。
だからこそ、そこに辿り着いたからこそ、改めてレビューする気になった。

何が言いたいかと言うと、この映画はどんでん返しに全て集約させているがために、登場人物の心理が追えないのだ。というより、全てが無機質、有機的ではない。
なぜか?繰り返しになるが、どんでん返し系は、心理描写を出来ないという致命的な弱点があるからだ。
例えばどんでん返しをしたいのに「くっくっく、騙されおって、カイザーソゼがこの俺とも知らずに」みたいな描写は出来ない。したらそれだけでズッコケ物だ。どんでん返しどころかでんぐり返しもままならない。
だから描写がどうしても無機質的になってしまう。
つまり僕はどんでん返し系に満足出来ない。

自分の嗜好性をより知ることが出来た意味ではとても勉強になった映画でした。

19th May 2016
Dio

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