なまくらウォッチメン

叫のなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

(2006年製作の映画)
4.2
赤い服の女、海水、地震によって掘り起こされる過去…
個々人の理想像と忘れられた孤独が複雑に絡み、暴力として表象していく

日常、ホラー演出、暴力が全て引きの画で詰め込まれた黒沢清の集大成的作品
Jホラー的ではあるが幽霊の顔がはっきり見えているのに怖い、という不思議な作品だった

黒沢清作品の主人公の多くは私生活・家庭内に不安を抱え疲れ切っているのだが、今作の役所広司もご多分に漏れない
『CURE』の役所広司のその後を見ているみたいで色々と想像できて面白い

黒沢清作品の中でももろに『回転』を意識した作品だったと思う