Rick

叫のRickのレビュー・感想・評価

(2006年製作の映画)
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良作。しかし難解。

『CURE』と『回路』を混ぜ合わせたような作品。
虐待死した女性の霊が特定の人々に取り憑いて、その人達にとって身近な人を、自身の殺され方と同じ方法で殺させることで、自身の存在を認知させようとしたということであっているのかな。自身を見て見ぬふりをする世界への復讐とも取れる。

一番は幽霊描写。流れる画の片隅にポツンと立っていたり、画の奥でボンヤリと立っていたり、なんかこう人為的ではない自然な怖さを体験できて大変良き。現実でも私たちが認知していないだけで、リビングや風呂場の片隅にポツンと立っているのかもしれないと思うと余計に恐怖を掻き立てられる。あと髪を風で靡かせることや光の加減等の演出の小さな工夫で、女優をあそこまで『この世にいてはならない異質な存在』に変えることができるんだなぁと思わず唸ってしまった。

また観たい。
Rick

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