ペコ

叫のペコのレビュー・感想・評価

(2006年製作の映画)
4.2
リングも呪怨も舞台の作り込みや前段での盛り上げ(来るぞ来るぞ感)は上手いのに、いざ白塗りの本体が出てくるとあれっ?てくらい恐さが抜けてしまう…というのが個人の感想でしたが、本作の赤い服の女は昼間にも出るし、なんならもう普通に生きている人間そのままなのに、とにかく恐ろしいこと…
貞子やトシオ君達は割とパワープレイで襲って来ますが、こちらの方が誘われている感というか、魂をふっと持っていかれそうな感じが自分の恐怖の感受性にマッチしているようです。(良いことなのか…?)

もちろん黒沢映画ということで、これCUREで見たやつだ!とか回路のあれ!とか進研ゼミかってノリであるある探しも楽しめる一作。個人的には前者二作の方が好みですが、怖がらせのアイデアも相変わらず巧みで、決して下手なジャンプスケアでわっ!とはやらない辺りが本当にクールな作家性だと思います。

そしてこの作品に限らず、ただ怖いだけじゃなく、静かな余韻がすーーっと続く感じがまた良いですよね。。すっかりこの監督のファンになってしまったようです。
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