Jeffrey

フレンチ・スタイルでのJeffreyのレビュー・感想・評価

フレンチ・スタイルで(1963年製作の映画)
3.5
「フレンチスタイルで」

冒頭、シカゴからパリへやってきた19歳のクリスティーナ。ある個展での青年との出会い、初めての恋、偽りの年齢、刺激的な夜、モデル業、父の存在、新聞記者との恋愛、祝福、50年代のファッション。今、激しい抱擁に酔いしれ別離に悲しむ恋の日々が始まる…本作はアーウィン・ショウが自作の"フレンチ・スタイルで"と"言葉を習う年"をシナリオ化し、ロバート・パリッシュが監督、演出したロマンチック・ドラマが、この度初DVD化され鑑賞したが素晴らしかった。まずジーン・セバーグの美貌よ。これには参る…永遠に見れる。それに美しいフレーム作りの撮影はミシェル・ケルベ。メロウな音楽はジョセフ・コスマが担当してるのも嬉しい。

さて、物語は絵の勉強のためにシカゴから憧れのパリにやってきた19歳のクリスティーナ。ある個展でギー言う青年と知り合う。彼女はそこで初めて恋を知る。だが、2人の仲は長くは続かなかった。彼は歳を偽っており、実はまだ高校生だったのだ。失望した彼女だが、パリは刺激的で若い男が多くあっという間に月日が過ぎていく。絵が売れずともモデル業で稼ぎ、繰り返し恋をし、パリの夜に溶け込み、別れてたギーに再会し、婚約者を連れていた彼を彼女は祝福する。そして彼女も新しく新聞記者のウォルターと言う男性と出会う。2人は意気投合し、自由な恋愛関係を構築する。だが、シカゴからクリスティーナの父がやってきて物語がさらなる佳境へ向かい始める。

本作は冒頭から魅力的である。モノクロームの美しいパリのセーヌ川だろうか、そのショットから始まり、メロディー豊かな音楽と共にタイトルロゴが出現する。そしてカメラはゆっくりとスライドし、パリの街を映す。その付近では1人の女性が絵画を仕上げている。次のカットで、彼女のクローズアップが写し出される。そして彼女のアトリエで自らの肖像画を描いている。彼女はタバコを吸い、鏡を見て自らの輪郭をタッチする。


続いて、彼女が街で開かれている個展へと行く。そこで彼女は一瞬眼鏡をかけ字を読む。そして入り口付近で青年に声をかけられる。個展の中は非常に混雑して、彼女は青年にまた出直すわと言うが、彼は中に入らなくて正解だよ。来客してる人が最悪なんだ。僕は仕方なく来たんだけどねと答える。そして彼女は貴方は批評家なのと聞き、彼は違うと答える。そこで2人の会話が写し出される。

続いて、2人は男性のバイクに乗りとある場所へ向かう。カメラは風になびくスカートを一生懸命押さえる彼女の姿を捉えて、街を疾走する原付バイクの描写、美しい景観をフレームインする。そして目的地の展示会へ到着する。そして2人は食事をしにレストランへ行く。彼女はワインを飲み、青年はコカコーラを飲む。そして昔話をしたりし会話をする。

続いて、男性は彼女を家まで送り帰宅する。翌日、2人がまたバイクに乗って街を疾走する場面へと変わる。そして落ち葉落ちる芝生の上に大きな布を広げてピクニックを楽しむ2人の描写、青年はそこで眠り、女性も横になり男性を見つめる。そして果物を口にする。そっと青年の前髪を触る。そして口に接吻する。ラジオからは情熱的な音楽が流れ、青年のクローズアップ、女性の熱い眼差しをひたすら写す。

そして一時のピクニックも終わり、片付けをする。そして画面はフェイドアウトする。続いて彼女のアトリエで青年がモデルとして描かれる。そして行きつけのレストランでまた食事をする(葡萄を食べている)。そして男爵が彼女の絵を購入することになり、ギーとの演劇を見に行く事を断る。彼はそれに対して不満をぶちまける。そして口げんかをして彼女は彼をひっぱたく。そしてここで別れる…


続いていて真夜中の土砂降りの中、1台の車が豪邸にたどり着く。その中から降りてきたのはクリスティーナだ。どうやら男爵の豪邸に到着したそうだ。彼は老いぼれた老人(召使)に招待されたと言い、レインコートを預けエントランスで待つ。そうすると階段から1人の男性が降りてくる。彼は来客に紹介しようと言い彼を連れて行く。そして晩餐会を楽しもうとするが、言葉の壁もあり、うかない表情をする。

そして彼女はトイレに行くと言い晩餐会から出て行って、あの青年ギーと出会い、2人は一室へと向かう。そこで青年は彼女からお金を借りて、祝いと言うことでシャンパンを用意し2人で部屋で飲む。彼は金曜日までには借りたお金を返すとクリスティーナに伝える。彼は服を脱いだらと彼女に促すが、彼女はあなたからよと伝える。そして今回は俺が降参すると青年は言い服を脱ぎ始めるが、見ないでくれと言う。彼女はカーテンを開いてホテルの窓から外を眺める。

準備が整った青年はベッドの毛布の中にくるまっている。続いて彼女が服をゆっくりと脱ぎ始める。そして彼女のベッドに入るが、青年が電気を消し忘れたなと言う。彼女が電気を消しにもう一度立ち上がる。 2人はぎこちなくなって会話をしつつ想いを寄せ合う。そこで青年はずっと演じてきていた嘘を彼女に伝える。彼は彼女に21歳と言っていたが、本当は16歳だったことを暴露する。それに彼女は涙を流しながらショックを受ける。

続いて、ジャズ流れるパリの夜のクラブで踊るクリスティーナと男性の姿、彼女の独白で話が進む。そしてそのクラブの座席から1人の男性が彼女を見つめる。クリスティーナは外であの16歳の青年に出くわす。彼は既に婚約者のイギリス人の女性を奥さんに迎えていた。少し立ち話をする2人、彼女は急いでいると言い立ち去る。クラブの中へ…

先ほどクラブで見つめてた男性は新聞記者である。2人はお酒を飲み世間話をする。そして彼は新聞記者と言う職業柄であちこちに旅立っている。そして3ヶ月間他国に行くと言うことで、クリスティーナと空港でお別れのキスをする。そして物語はクライマックスへと向かっていく…と簡単に説明するとこんな感じで、冒頭のクリスティーナを演じたジーン・セバーグの登場の仕方がめちゃくちゃ美しくて、可愛くて綺麗で、もうファンになっちゃうほどとろける聡明な容姿に胸キュンよ。


いゃ〜初見したけど、すごく素晴らしい映画だった。兎にも角にもジーン・セバーグが綺麗過ぎる。彼女がきちんとパリ族を演じているのも最高だった。それにギー役のフィリップ・フォルケもイケメンだ。ほろ苦く終わってしまう前半と悲しみに満ちた後半とのギャップも何とも言えない。とりあえず彼女のナイーブな一面を全面的に映し出した映画だなと思う。


当時のパリの街並みを楽しみつつ、彼女の美貌を思いっきり楽しむロマンティックな映画で、その他は全て標準の評価だ。やはり彼女の美貌だけで高得点を与えてしまう映画だ。それに凱旋門のラストのショットの儚さはたまらない。この映画見てると当時のアメリカ人て言うのは戦後は花の都と言われるパリに憧れを持っていたんだなと言う感じが少しばかり伝わる。やはりヨーロッパの中心的な存在で、開放感のある国と言うことがやはり憧れの的だったのだろう。日本でもおフランスと言う言葉が流行ったと事だし。


映画としての平均点は普通だが、個人的には好きな作品だ。
Jeffrey

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