ジョー・ダンテ監督作。
新作ホラー映画『マント』を巡って巻き起こる騒動を描いたコメディ。
映画が生みだす虚構が現実世界を徐々に包み込んでいく展開に、監督の溢れんばかりの映画愛を感じられる。キューバ危機による現実の核の恐怖と、『マント』で登場する、核によって創造された人間と蟻のハイブリッド生命体の恐怖。映画の恐怖と現実の恐怖が結びつく。さらに映画館に仕掛けられた様々な仕掛けによって、通常スクリーンの内側に閉じ込められているはずの映画がその限界を打ち破り、観客の現実に影響を及ぼし始めるのだ。『マント』で展開される物語が、そのまま現実世界に引き継がれていく様は圧巻。
