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女死刑囚の脱獄のtackyのレビュー・感想・評価

女死刑囚の脱獄(1960年製作の映画)
3.8
新東宝の社長、大倉貢が「女優を愛人にしたのでは無い、愛人を女優にしたのだ。」と開き直ったその当人、高倉みゆきの主演サスペンス映画である。

高倉みゆき自体には、見るべきものは無いが、俯瞰で撮った脱獄のシーンや、列車での逃亡シーンでは、ヒッチばりのドキドキ感があった。

守衛の真上を板一枚で進むところ。
列車内で、不在の夫人の赤ちゃんを抱いて、刑事をやり過ごすところ。
走る列車のデッキの外に掴まる二人の前で、タバコを吸い出す刑事。等々。

推理物的には物足りないが、ホラーだけでなく、サスペンスも手堅く演出できる中川監督は、この頃油が乗り切っていたようだ。

個人的には、後の東映ヤクザ路線でも悪役しか見たことの無い沼田曜一が、デキる正義の刑事部長役だったのが、素晴らしかった。
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