のんchan

冷たい水ののんchanのレビュー・感想・評価

冷たい水(1994年製作の映画)
3.8
ジャケ写とタイトルが相反しているのが気になり、オリヴィエ・アサイヤス監督の世界へ

フランスのテレビ局の企画があり、自身の10代の頃を語ると言うテーマから制作されたもので、70年代の若者と音楽を使った監督の自伝的作品。

青春の危うい空気感をスピード感あるカメラワークとリズムを流し出す長回しで描いている。


16歳の高校生のジルとクリスティーヌ。2人とも家庭と学校にそりが合わなく、問題を起こしては周りを巻き込んでいく。

レコード店で万引きするクリスティーヌ、ジルを逃すが自分は捕まり、怯えるどころか刑事に担当警官の悪行の告げ口をする。
しかし、両親にも問題があり、一時的に精神病院に入院させられてしまう。そこを抜け出し森で行われている仲間たちのパーティへ。
一方ジルも父親は理解を示しながらも手を焼き、寄宿学校への手続きを進めていた。
パーティではドラッグ、アルコールに溺れながら踊ったり、女子たちも草むらで用を足したり自由奔放。

クリスティーヌは幼馴染のいる南フランスへ一緒に行こうとジルを誘い、そのまま着の身着のまま決行しヒッチハイクで目的地へ向かうが...
寒空の水辺近くのほぼ瓦礫の中で重なるように2人だけの世界へ。
しかし、朝ジルが目を覚ますとそこにクリスティーヌの姿がなく...


70年代の懐かしい楽曲(ジャニス・ジョプリン、ボブ・ディラン、ニコ、CCR等のロックミュージック)が作品を彩っているが、なんともやるせない青春映画となっている。

クリスティーヌ役のヴィルジニー・ルドワイアンの透き通るような美しさ、儚さの中にある勝ち気さ、大人ぶる強さは繊細さの裏返し...キラキラして目を引いた。
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