てる

コララインとボタンの魔女のてるのレビュー・感想・評価

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)
3.7
ティム・バートンが監督やってそうな作品だと思ったら、『ナイトメアビフォアクリスマス』の監督だった。ていうか、『ナイトメアビフォアクリスマス』の監督ってティム・バートンだと思ってたけど違うのね。勘違いしてた。

小さい子どもが観たらトラウマになりそうな程不気味な作品だった。
でも、小学校高学年くらいなら丁度いいかもしれない。作品的には子ども向けであるが、大人が観ても面白い。もちろん子どもが主人公であるし、子どもの頃に観た方が面白いのは間違いないとは思うが。

ストップモーションアニメって温かみがある。どこか可愛らしい。
この作品はストップモーションアニメだからこそ柔らかいタッチで描かれているが、ビジュアルは結構怖い。
目玉がボタンで出来た人間ってこのアニメーションでなかったらかなり怖い。
それと魔女。魔女に関しては、大人でも怖い。
そういうビジュアル的な意味で言うと、この作品はストップモーションアニメであることを最大限に活かしている。
子ども向けだが、映像にすると恐ろしすぎて、子どもに見せられない。だが、お人形劇にすることで、ビジュアルは緩和され、本当に観てほしい年段に観てもらえるのだ。そういう狙いもあったんだろうなぁと思う。

内容は知育であり、お伽噺だ。自分に優しい世界であると依存し始めると、実は魔女が作り上げたクモの巣であった。要は怖い魔女に食べられちゃいそうになる話である。
いやぁ、怖いよね。
しかも、この魔女、現実の世界にも出てきて、執念深く、コララインをなんとか捕らえようとする。夢オチじゃ終わらないってのがまたいいよね。

この作品は一見ダークファンタジーのようだけど、冒険があり、勇気があり、知恵があり、仲間があり、子ども向け作品に必要な要素をしっかり描いている。甘い誘惑にはご用心ってのは、子どもにも大人にも必要な共通のメッセージであるしね。

怖いけども、子どもが観たら絶対楽しめること間違いない。クリスマスとかお正月とかに家族で観てほしい作品である。
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