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砂の器のNのネタバレレビュー・内容・結末

砂の器(1974年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

古き良き昭和の名作。

構成を変えるだけでミステリーにもサスペンスにもなれるのはさすが松本清張原作。

個人的には前半の刑事達の足を使って地道に捜査して犯人を追い詰めていく過程が泥臭くて好き。
吉村刑事が執念でシャツの切れ端を探し出す場面とか、今西刑事が和賀の戸籍を調べ上げる所とか。
今西刑事の旅行旅映画にも見えたけど笑

後半の宿命と共に始まる和賀の過去の回想は素晴らしかった。
和賀と父の絆、三木との出会いと父との別れ。
過去の回想では台詞がないからこその二人の旅路に過酷さと深みが出ていた。加藤嘉の表情で伝える演技力。

最初は和賀の過去を知るから起きた殺人なのかと思ったが、千代吉の和賀の写真を見せられた時の嗚咽と写真の和賀を知らないと否定した事で、互いに会いたくない訳じゃなく会えないんだと納得。
そこに三木はお節介してしまったのか、人情溢れる人間だったからこそ起きてしまった悲劇。

2024 112
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