キャンチョメ

砂の器のキャンチョメのネタバレレビュー・内容・結末

砂の器(1974年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

僅かな手掛かりを地道に集めて行き、最後には1人の人間の人生が露呈する過程に引き込まれる。

虐げられてきた人間を「救った」側が、「救われた」側に殺される、という構図が面白い。「正しい」干渉が相手にとってそうだとは限らない。三木が居なければ、本浦親子はのたれ死んでいたかもしれない。三木のおかげで彼らは生きながらえたが、親子の関係は引き裂かれてしまった。秀夫による新たな戸籍の作成は辛い過去との決別だったと思うが、親子という宿命からは逃れられない。それを突きつけてしまったのが皮肉にも三木であった。

ちょっと同情を誘いすぎの感があった。親子の旅路のシーンが長い。子役が乞食に見えなかった。

親子が抱き合い、汽車の来る音が聞こえるシーンは良かった。親子の別れを巧みに表現していたと思う。
キャンチョメ

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