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砂の器のぉゅのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
4.0
2024年 鑑賞 24-65-19 [5-2]
BS松竹東急 銀座よる8シネマ にて
※デジタルリマスター版
松本清張先生の同名小説を原作に、「八つ墓村」「疑惑」等の野村芳太郎監督、橋本忍氏&山田洋次氏脚本による、東京都内の大田区蒲田駅の操車場で起きた、ある殺人事件を発端に、今西(丹波哲郎さん)や吉村 (森田健作さん)ら刑事の捜査と犯罪者の動静を描いた作品。松本清張先生の作品の中でもハンセン氏病を物語の背景としたことでも知られ、大きな話題を呼んだ作品でもある。

ー 松本清張氏原作 × 野村監督 映画祭 第1弾 ー
秋田とカメダ、蒲田駅操車場と死体の跡や遺留品の数々とバァー ろんのマッチ箱、東北弁の訛りと二人の男の話、東北弁と似ている音韻の言葉が出雲弁と出雲地方に亀嵩という地名が、殺された三木謙一(緒形拳さん)は神様のように慕われていた?と亀嵩でも正義感の強い模範的な警官という話ばかり(と笠智衆さんだぁ!)

ー 殺人の動機は この奥出雲の地には何一つない

困り果てた今西と亀嵩駅、女性が巻いたものは紙ではなく布と布に付いているものはO型の血液、手術?と三木には子どももおらず 妻は若くして亡くなっている、今西は伊勢へと伊勢の映画館「ひかり座」支配人は渥美清さん(嬉しいなぁ... つい笑顔になる!)と映画館の写真、天才ピアニスト兼作曲家の和賀英良(加藤剛さん)と前大蔵(現:財務)大臣の田所重喜の令嬢で 和賀と婚約予定の田所佐知子(山口果林さん)と宿命とは?、本浦千代吉(加藤嘉さん)と本籍は石川県と秀夫という息子を連れ村を出て行ったと菅井きんさんだぁっ!、出●についての話し合いと踏切と高級クラブのホステスで 和賀の愛人の高木理恵子(島田陽子さん)の様子が... 、●●による大量出血と理恵子の死、今西市役所での捜査と空襲で焼けた戸籍と本人の申し立てで本籍再生、千代吉夫婦に子どもはいないと自分たちの子どものように可愛がっていた子どもが... 、和賀の本名は本浦秀夫だった... 、オーケストラとライ病(ハンセン氏病)と彼にそんな過酷な家族との過去が... 父の思いで... 、海や波と断崖と緑や花と風と雪と... 風景は美しいが... 、いじめられるシーンや強制的に追い出されるシーンが胸を打つ... 、川で遊ぶ秀夫とあれが●●●... 、千代吉の決意と秀夫の行動と三木の決意と秀夫のある癖... 、障子の影のシーン 好きっ、千代吉のあの震えながら出した言葉 心を掴まれる... 、三木の思い... 無念... 、音楽は父と会う唯一の方法と音楽が終わった時の高揚感と同時にもう終わってしまったのかという気持ちにもなる、ラストの夕焼けのシーンがまた心を掴まれる作品。

冒頭からの東北のシーンからの始まりに繋がるところや今西のロードムービー的捜査やクライマックスでの警察での謎解きシーンとオーケストラのシーン&回想シーンがとてもいい構造がよりストーリーを高めている!そして音楽がまた心を揺さぶられる!回想のシーンでの音楽もいいが、オーケストラの「宿命」もまた沁みる!もっと難解で重い作品かと思って避けてきたが、こうしてBSで放送していただき、またひとつ心を掴まれる名作と出会えた!ありがとうございました!

「(宿命とは)もっともっと大きな強いものだ つまり生まれてきたこと 生きているということかもしれん」

「この親と子がどのような旅を続けたのか? 私はただ想像するだけ この二人にしじゃ分かりません」

「うっ ああぁぁぁ... そ そんな人知らんね ああぁぁぁ... 」

「今彼は父親に会っている 彼にはもう音楽... 音楽の中でしか父親に会えないんだ」

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