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砂の器のABBAッキオのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
4.7
 1974年野村芳太郎監督、松本清張原作。テレビとの競争に負けて衰退しつつあった戦後日本映画産業の最後の華といってもよい大作。名優揃いの中で、加藤嘉の演技が胸に迫る。そして風景画が息をのむように美しい。差別と貧困から抜け出そうともがき、栄達のために悪に手を染める主人公との相克。原作はもちろんこの映画の時代にもハンセン病という名称すらまだ一般的でなく、今日から見ればとんでもない差別を社会一般が当たり前と思っていた時代背景が分からないとピンとこないかも知れないが、松本清張らしい世界観が描かれた歴史的名作。
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