てれ

家族の四季 愛すれど遠く離れてのてれのレビュー・感想・評価

4.1
離れ離れになって長い間厳冬に晒されていた家族は、再び集まり春の日々を取り戻すことができるのか?

家族を大事にするインド人の国民性がよく表れている。家族愛という大きなテーマを巧みに描き出していて素晴らしい映画だった。

前半はラーフル(シャールク)、後半はローハン(リティク)が主人公のような構成で進んでいき面白かった。

ラーフルはお茶目でキザで純粋で。シャールクは本当にこんな役が似合うな。身分が違えど愛するアンジャリのために全てをかけ、伝統を重んじる父から勘当されてもしっかりと自分をもっている。アンジャリもハツラツとしていて超ドジっ子だけど祖国のインドを去ってもめげない強さが美しい。
兄のラーフルとアンジャリを再び故郷の家に迎えようと奔走する大学生のローハンのひたむきな姿は健気で応援したくなるほどだった。ローハン演ずるリティク・ローシャンはまだ若くて(2001年だから27歳!)可愛らしい感じでキュンときた。
そしてラーフルの父ヤシュ演ずるアミターブ・バッチャンの威厳! 何気に家族の四季が役者として初めて見たかもしれない。いつもナレーションか本人役しか見たことなかったので。

家族だからこそお互いに辛いのを見えないフリをして、傷を深めてしまう。愛してるの言葉を口に出すことができない。そしてそれらをまるごと受け入れて乗り越えようとする個々の決意がひとつになった時、家族の愛は永遠になるのだと、この映画から教えられたような気がした。
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