KnightsofOdessa

今宵かぎりは…のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

今宵かぎりは…(1972年製作の映画)
4.0
[貴族による召使的行為と召使による貴族的行為] 80点

ダニエル・シュミット長編デビュー作。貴族と召使の主従関係が一日だけ入れ替わる聖ネポムーク祭の夜を描く。血圧低そうな青い光に包まれた画面で、顔色悪い人々がゆっくりとした動作で動き回り、貴族たちによる召使的行為と召使による貴族的行為という"儀式"が繰り広げられる。果には召使役の貴族たちが貴族役の召使たちの前で貴族に扮した出し物をするというカオスなセルフパロディ的状況になっていくのだが、死人のような状態は変わらず。主従が入れ替わっている感じは言われないと分からないが、主従を入れ替えずとも館の中における貴族による貴族的な行為と召使による召使的行為は"儀式"に他ならないのかもしれない。イングリッド・カーフェンが死にかけの貴族娘の寸劇をやってる相手がペーター・ケルンで、ここだけ完全に『ラ・パロマ』だった。

人混みみたいなのをイングリッド・カーフェンが通り抜ける→歌い始めるシーンが好き。
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