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今宵かぎりは…のSEULLECINEMAのレビュー・感想・評価

今宵かぎりは…(1972年製作の映画)
5.0
フィルムから異様なほどの神秘性みたいなものが滲み出ていて、何かの儀式に参加しているかのような緊張感があった。
基本的には長回しと人物のアップショットが繰り返されるという構成で、内容は劇中劇と歌が大部分を占める。
ひとつひとつのショットの密度というか濃度というかが異常なまでに濃く、どこを切り取っても一つの作品になり得るほどに美しかった。そして役者が召使いに階級の打破を説くシークェンスで、役者の演説のショットと主人たちの大笑いのアップショットが繋がれるという、ある種エイゼンシュテイン的なモンタージュにも痺れた。
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