佐藤克巳

勝利者の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

勝利者(1957年製作の映画)
5.0
日活を去る三橋達也への花向けとなった井上梅次監督の、エンターテイメント映画の傑作だ。三橋は、ハンフリー・ボガートの様なエンディングで真の勝利者となった。相手役の北原三枝は、「赤い靴」・「巴里のアメリカ人」を連想させる素晴らしい舞踏を披露し、作品の質を高めた。また、南田洋子の母性愛に満ちた助演も見事。石原裕次郎の演技は、まだまだ荒削りだが、スケール感ある大立ち回りだった。安部徹、殿山泰司も素直に好感持てる脇役を務め上げた。今観ると、大人の映画だったなとつくづく思う。
佐藤克巳

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