ShigeakiMiyano

ゆりかごを揺らす手のShigeakiMiyanoのレビュー・感想・評価

ゆりかごを揺らす手(1991年製作の映画)
3.5
秀逸なサイコサスペンス作品!
登場する三人の女性がそれぞれ魅力的です

ある家族に近づいて来た女には恐るべき
計画があった

まず物語の軸となる乳母のペイトンを
演じるR•デモーネィが凄いですよ
喜怒哀楽の差が激しい感情的な女性ですが狡猾に目的を達成するために手段を選ばぬ恐ろしい性格です、しかしその背景には
待望の第一子を流産しその為に一生子供を
産めない身体になったと言う悲しい事件が
根底にあったりします
美しいデモーネィがトイレの個室で感情を
爆発させるシーンが印象深いですね

優しい旦那と可愛い子供たちに恵まれた
クレアには今作品が注目を浴びる起点と
なったA•シオラが抜擢されてます
ジワジワとペイトンの計略にかかって
精神的に追い詰められる姿が痛々しいです
持病の喘息の発作が随所で発症し彼女を
さらに苦しめていくのです

オスカー受賞の実力派女優として出演作で存在感を見せつけるJ•ムーアですが
この「ゆりかごを揺らす手」がデビュー作
なのですよ!それでもしっかりと爪痕を
残す見事な演技力を発揮しています

些細な嫌がらせを積み重ねていくペイトンが一瞬見せた “ 母親 ” の優しげな表情が
彼女の心の闇の深さにつながっていると
思うと同情したくなるのですが…
彼女の正体にいち早く気づいたマリーンを咄嗟に殺害する手法や一家を見守る無垢な
ソロモンを巧みに罠にかけてしまう冷徹な
計算高さに背筋が凍ります

R•デモーネィをキャスティングした段階で
スマッシュヒットが決定したとも思える
ほど彼女の芸達者ぶりが光る作品です
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