荻昌弘の映画評論

サン・アントニオの荻昌弘の映画評論のネタバレレビュー・内容・結末

サン・アントニオ(1945年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 君、天然色映画好きだろ、西部劇も好きだね?よし、じゃ見て来たまえ。それから君「サム・サンデイ・モオニング」ってヒット・ソング覚えているかい?アレクシス・スミスがきれいに歌うよ。懐しい?ますますよろし、聴いてきたまえ。だけど君、エロオル・フリン虫が好かなかないか?何、あんまり気にならない?フン、じゃいいや、バトラア先生もそれほどうまかあないぜ。エ?馬が走ってピストル射ちゃ監督なんて誰でもいい?ヘン、申分ないよ、ゼヒ見て来たまえ。酒場の射ち合いナンテ最近のミモノだぜ。しかし僕に言わせりゃ、天然色の西部劇なんてものは、歴史的風俗の興味以外、映画的感覚、殊にカッティングの鋭さが失われるという点で……アリヤ、もう駆け出して行っちまいやがった。
『映画評論 7(6)』