みきわめとおる

ワン・プラス・ワンのみきわめとおるのレビュー・感想・評価

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)
3.9
ハンスリュカスて、誰やねん!?

ゴダールの別名やと。ふーん、、。

『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』『ウイークエンド』などでヌーヴェルバーグのトップランナーを突っ走って、政治の季節に突入すると商業映画との決別を宣言し、まず着手したのがこの『ワンプラスワン』

悪魔を憐む歌をゼロベースから作り上げていくローリングストーンズのスタジオセッションをブラックパンサー的黒人アジテーションと交錯させながら描く。

天才ゴダールは、アンナカリーナに振られ、
落ち込む間もなく、新しいミューズ、アンヌ・ヴィアゼムスキーをヒロインに据えるも、商業映画とサヨナラしたからミューズを魅力的に描こうなどかけらも思わない。

この映画を観て思うのは、1968年という最も世界的に政治の季節だった年は少なからずゴダールの影響があったという事実だ。
ジョンレノンが『レボリューション』を作ったのも1968年だ。

自らの死をも『安楽死』と選択して昨年亡くなったゴダールは、三島や太宰と同じく、
自意識の化け物だった。