リーアム兄さん

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
オスカー「太陽が爆発しても僕らは8分間何も知らない。それが光が地球に届くまでの時間。8分間世界は変わらずに明るく太陽の熱を感じる。」

アスペルガー症候群を持つオスカー(トーマス・ホーン)は父親のトーマス(トム・ハンクス)とニューヨークにかつてあったとされる「第6区」の存在を探す探検家遊びをしていた。トーマスも第6区の存在の根拠など知りもしなかったが、アスペルガー症候群で街に出る恐怖が多いオスカーをその恐怖から克服させる意味でも街の探検をさせていた。しかしオスカーとトーマスの楽しい時間は突如「9.11」によって奪われてしまう。たまたま世界貿易ビルにいたトーマスもテロに巻き込まれ、命を落としてしまう。オスカーはそのショックを抱えていたものの、トーマスが残した「探すことを止めるな」という言葉を胸に第6区探しを再開する。トーマスのクローゼットで手がかりを探していたオスカーは閉まってあった青い瓶を割ってしまい、「ブラック」と書かれた封筒を見つける。その中にはカギがあり、オスカーはトーマスが残したヒントだと思い、カギの鍵穴を探すべく、ブラックと名のつく人を片っ端から訪問する調査を始める。

今日は「父の日」ということで、「父」にまつわる映画を鑑賞。
こちらも観ようとは思ってたけど、なかなか観ることができていなかった作品。
最初は映画のタイトル的に息子が父親に反抗するけど、最終的には父の気持ちを知る。みたいなストーリーかな?と思ってたけど、いい意味でその予想を裏切られた。

トーマスという父親の存在は当然息子のオスカーにとって人生で大きなピースとなっていたけど、それを陰ながら支えていたサンドラ・ブロック演じる母リンダの存在というものが映画後半でかなり重要、というか人生における母親の存在のありがたさを感じさせるものだった。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」というのは母親のことも指している、ということを観終わった後に気付かされる、そういう意味では「どんでん返し」の映画かもしれない。

父の愛、母の愛とともにこの映画のテーマとなるのが「9.11」
攻撃された直後のアメリカ人の「連帯」や「温かさ」も描かれている。
「9.11」で父親を亡くしたオスカーが探検の先々出会うアメリカの人たちに励まされ、支えられながら1人の人間として成長していく。
テロに負けないアメリカ人の強さも描かれているように感じた。