残された人々の心に寄り添った繊細で美しい傑作。
友人に薦めたついでに、数年ぶりに見返した。
作品の出来に対して知名度が低すぎる。
アスペルガー症候群グレーゾーンの少年が主人公なわけだが、昔見たときにはそこまでわかってなかったなぁ。
この数年で世間の認識が広まったのか、自分の知見が広がっただけなのか。
細かい音やキャラの表情を丁寧に描き、「鍵穴を探す」というシンプルなストーリー構成も相まってとても惹き込まれるいい映画。
数年ぶりに見たけれどやはり傑作だ。
初見時はボロ泣きした記憶があるけれど、今回はそこまでじゃあなかったぞ。
東日本大震災、コロナ禍など「理不尽な死」を当事者世代として経験してきた。
どの時代・どの国でも、残された家族の心の傷は癒えない。
行き場の無い怒りや悲しみを抱えながら、それでもなんとか折り合いを付けて自分の人生を生きていかなければいけない。
だからこそこの映画は俺たちに少しだけ勇気をくれるんだと思った。