chirol

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのchirolのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

9.11のお話。
日本人は特に、戦争とは無縁で愛する人がいつも隣にいるって考えてしまいがちだけど、毎日をもっと大事に生きようと思った。

主人公の男の子は、同時多発テロが起こった時に、お家にかかってきた父からの電話に出なかった。今 目の前のテレビのニュースで事故が起こってることを知りながら、出なかった。その意図はよく分からないけど、代わりに父親の声は留守番に録音されて、その声がその男の子にとって、一番の形見みたいになっている。
電話に出なかったことを男の子は悔やんでいるのも切なかった。

父親が残したものがあるんじゃないかって探したのに、父親の手がかりなんてどこにも無かった。
救いようなんて最終的にあったのかな?って感じだけど、それでも生きる意味を探した主人公の男の子の懸命さと、お母さんの優しさにほっこりするよ。
悲しいけど。

でも、最後の、お父さんがビルから落ちてゆくシーンをカラクリ絵本で表現して、落ちてゆくんじゃなくて、ビルに戻っていく仕組みに、大号泣した。
本当は、帰ってくることを願ってる。何だか申し訳なくなった、何にも考えずにぼんやり生きてて、ごめんってなったなぁ。

戦争で、(大抵は大人の都合だと考えている)子供達に悲しい想いをさせてしまうのだけは、どうしても違う気がして、いつも許せなくなる。
映画を通じてだけど、世界を知れた日だった。
そして現実味の無かったアメリカで起こったテロに、悲しくもなった。

鑑賞記録
19の秋くらい。
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