おにぎり

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのおにぎりのレビュー・感想・評価

3.8
9.11で家族を失った遺族の物語。たくさんの命が奪われ、その人に繋がっていた沢山の心も壊された。
様々な人々が、様々な家族たちが、様々な形でこの事件と向き合い、いや向き合わされました。この作品はその膨大な中の一家族の話と捉えたい。
アスペルガーの少年の目を通して、突然愛する者を失った喪失感や、その人の為に何かを見つけなければ、と言う焦燥感がストレートに表現されています。オスカーの言動や行動は、そのまま私たちの頭の中の混沌なのだと思う。

少年との関係が希薄だったお母さんの存在がとても気になっていました。それがある意味キーでした。終盤見事に回収されて行く様子に涙が止まりませんでした。

オスカー、君もきっといつの日か気が付くね。お父さんが遺してくれた鍵は、お母さん、おばあちゃん、間借りの人、ブラックさんたち、そして大好きなお父さんの'愛'に繋がる鍵だって事を。
おにぎり

おにぎり