このレビューはネタバレを含みます
これも新文芸坐の熊井啓映画祭にて。千利休は最期切腹して命を絶つわけですが、絶命する瞬間に何を思っていたのだろう、と想像していく映画。
千利休は命で切腹して死んだのだ、と授業か何かで初めて知った時、一茶人がどうして仕えた人に切腹せねばならなかったのだろう、と不思議に思ったことをたしかに憶えている。映画では「我が茶の道を守るため」との結論になる訳ですが、ああそういう考え方もあるか、と思ったので個人的には腑に落ちなかったのかもしれない。死を賜り、最後に死を賜らせた秀吉に茶を点てる場面で、毅然と、憮然とした態度で死を見据えるように描写されていたけれど、個人的には利休さんはもっとぶれず揺らがず穏やかで、自分自身の怒りという感情もそのまま内包できる、器の大きい人というイメージ。
途中冗長なところがあって珍しく少し寝てしまったけれど、いい映画だったと思う。