隼人

この空の花 長岡花火物語の隼人のレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
3.0
「死んだ人々は、還ってこない以上、 生き残った人々は、何が判ればいい? 死んだ人々には、慨く術もない以上、生き残った人々は、誰のこと、何を、慨いたらいい? 死んだ人々は、もはや黙ってはいられぬ以上、生き残った人々は沈黙を守るべきなのか?」(ジャン・タルジュー)
戦争や震災による大量死の記憶は何もしなければ風化・変質していく。だからこそ生き残った人が「語り継ぐ」ことが必要。その人たちもやがて死者になるから、今度はその世代が次の世代へと繋いでいく。そして、二度と同じような過ちや被害を起こさないことが、死者に対して何よりの慰霊だと思う。花火も記憶と似ていて、パッと咲いて一瞬で消え、後には何も残らない。だからこそ、「繰り返す」ことが重要で、長岡の花火大会はそうやって続けられてきた。もしかすると、全国の民俗行事は本来、そういう何か大切なことを忘れないため、という意味合いを持っていたのではないか・・なんて自分の研究分野と併せて考えてみたり・・・。

とりあえず、見ていて非常に疲れた・・・。口直しにバカバカしい映画見たい。内部に沈殿して、後からじわじわ効いてくる映画かなと思う。
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