まよいマイマイ

この空の花 長岡花火物語のまよいマイマイのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
4.5
戦争や平和、へのメッセージを押し付けがましくなく有無を言わさない大林宣彦の圧倒的なパワーで160分魅了された。天草で新聞記者をしている女性、長岡で『まだ戦争には間に合う』という脚本を書き舞台を作り上げる女学生。新潟日報の新聞記者。3.11の被災、かつて長岡の花火を描いた山下清‥さまざまな場所の過去と現代が入り混じり花火と舞台とフィクションが集約される終盤は圧巻。女学生を演じた猪俣南さんは当時役者としては新人。現在は青森でアナウンサーをされている。どこか『時かけ』の高柳良一さんに通じる素人さが、いい。紙芝居を通して戦争を語り継ぐ元木リリ子を演じた富司純子、新潟日報の記者を演じた原田夏希、男子学生の森田直幸が深く印象を残した。大林監督があくまで個人的にこの映画に祈りと願いを込めた私小説的な作品。映画館で観たい。
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