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この空の花 長岡花火物語のMOTOのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
1.0
全編大林宣彦監督のふわふわした説教で構成された映画。

実話ベースであろう体験談はまだ響くが、それを受けてのキャラクター(監督)の言葉が薄っぺらすぎて話にならない。これくらいの明かりが丁度良いってなんだよ。省エネのLEDを使えよ。
作品内で戦災や震災を語るのが、年寄りかつ田舎のコミュニティ内である程度のポジションを得られたある程度恵まれた人に限られているので、被災体験を伝えていくのも特権でしかなく、死んだ人や長生きできなかった人、今も不遇の人にはそのチャンスすらないんだなあという感想しか湧かない。
いかにも自治体や記念館から紹介された人だけを取材して表面だけを掬いましたという薄っぺらさだから仕方ないが。
若い女性キャラが年寄り(大林宣彦)のイタコ状態なのも薄ら寒い。
ボレロの使い方もセンスゼロ。

オイルショック後に生まれた氷河期世代から言わせてもらうと、バブルだけに罪をなすりつけ公害による死者上等の高度成長は肯定している辺りも手前勝手すぎる。オイルショックの前と後とではエネルギー効率に対する考えが段違いだし、光化学スモッグや毒々しい色をした川、煙草の煙などが徐々に街から消えていったバブル時代の方がまだ人間に優しいとも言えるだろうよ。
結局のところこの映画は、反戦を肴に勝ち組の年寄りを肯定するだけのプロパガンダ映画なんだよな。
0点以外無いがこのサイトに0点は無いらしいので1点で。
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