このレビューはネタバレを含みます
伝説のカンガセイロ、ランピオンに仮託されたおとぎ話的ニューシネマ。書割と見紛うような景観が美しく、民族音楽のビートがカッコいい。
典型的な階級闘争的ニューシネマ。労働者地主知識人など、明白過ぎる象徴化の数々が退屈でした。革命原理を高らかに謳い、飽くなき闘争の火種を仄めかすというラストに至っては舞台劇の様相。
俳優陣と住民は明確に区別されますが、大して演出されていないので、大道芸の風景を見せられているようでした。
単純な割にかなり分かりづらいストーリーな上に、政治的ご都合主義に彩られているようでした。聖女の重要性に比しての扱いの軽さは何だろう。
映像の美しさも余り感じられないためその意味でもお遊戯会のよう。血糊だけはやけにリアルだなと感じました。
話以前に、ここぞというところの映像が配役も含めて間が抜けて見えて、耐え難い時間の続く映画でした。