ハレンチ学園在学生

永遠の人のハレンチ学園在学生のネタバレレビュー・内容・結末

永遠の人(1961年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

最後まで見終わってなかなか秀逸なタイトルだと感じた。昭和7年から29年間にわたる熊本の僻村が舞台。村長の倅(仲代達矢)が小作農の娘(高峰秀子)を力ずくで手ごめにする。高峰には仲を誓い合ったやはり小作農の息子(佐田啓二)がいるが結ばれることはなかった。夫婦にはなったものの仲代と高峰との憎しみ合いは永遠に続く。高峰は手ごめにされたときの子ども(田村正和)を愛せず、田村は両親の過去の経緯を知り自殺してしまう。いよいよ仲が冷え切った夫婦。因果は巡り高峰の娘と佐田の息子が駆け落ち同然に村を出る。高峰と佐田が叶わなかったことをその子どもたちが行う。佐田の臨終間際に高峰が仲代に初めて胸を明かし子どもたちを許すように懇願し仲代はそれを受け入れ「和解」しようやく真の夫婦になったように見える。つまり「永遠の人」とは高峰と佐田のことではなく高峰と仲代のことを指す。いやダブルミーニングというべきか。大自然の中の点景として人物を描く木下の作風は本作でも発揮される。自然の雄大さから見れば夫婦間の諍いなど小さいことと言っているかのようだ。異色なのは木下忠司の和風フラメンコだろう。戦時中の冒頭から日本語で歌われるフラメンコは異様な印象を受ける。監督助手に吉田喜重の名前が。