シネマスカイウォーカー

フックのシネマスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

フック(1991年製作の映画)
3.6
スティーヴン・スピルバーグ17作目

ピーターパンがネバーランドを去り大人になってしまい、自分がピーターパンであることすら忘れてしまった物語。ピーターはフック船長に誘拐されてしまった息子と娘を救い出すためティンカーベルに連れられ再びネバーランドへと戻るのであった....

賞レース向け映画が続いたスピルバーグが再び子供向け娯楽映画として作った作品。ピーターパンが大人になったらというストーリーでワクワクする設定だった。ロビン・ウィリアムズのピーターパンも良いのだが、やはりダスティン・ホフマンのフック船長がハマり役過ぎていたと思う。多分ここまでハマり役だったからタイトルを『フック』にしたんじゃないか?

スピルバーグが手がけるアドベンチャー映画の中では「インディ・ジョーンズ」や「ジョーズ」と比べて少し見劣りしてしまう部分もあったと思う。スタジオのセット感も味があると言えば味があるが、ここ数作のクオリティを見ると決して技術面でここまでのクオリティが限界だったとは思えない。セット自体にはお金が凄いかけられているのだとは思うので、恐らくあえてこのセット感というかテーマパーク感を出しているのだろう。『グーニーズ』くらい上手にやってくれても良かった気がする。

ルフィオ少年の扱いも少し雑というか可哀想な感じがした。ピーターパンが去って代わりにロストボーイズをまとめて面倒見ていたのにピーターパンが帰ってきた瞬間にボーイズのみんなが手のひら返しでピーターの元に付くのはいくらなんでもルフィオが可哀想。それでもピーターと一緒に戦ってくれて、でもラストには予定調和的にフックに殺されて、次のシーンではルフィオの死があっさりと片付けられてしまう。なんか凄い不遇なキャラクターだったな。

娯楽映画に戻ってきても少しイマイチな出来になってしまったスピルバーグ。この辺のスランプを乗り越えて次に『ジュラシック・パーク』が来るというのは驚き。

ジョン・ウィリアムズ先生の劇伴は相変わらず最高でした。