Keigo

フックのKeigoのレビュー・感想・評価

フック(1991年製作の映画)
3.6
『ピーターパン』といえば、子供の頃に『美女と野獣』や『アラジン』と並んでビデオテープが擦り切れるぐらい観ていたディズニーアニメ。台詞を本編と同時に言えるぐらいには繰り返し観ていたけど、それは好きだったからというよりも選択肢がそれしかなかったからで、考えてみれば現代の子供達は親がサブスクに加入したスマホやタブレットを渡してくれればいくらでも作品が観られるんだから、昔ほど何度も同じ作品を繰り返し観たりはしないだろうなと思ったり。それが良いとか悪いとか言いたいわけではないんだけど。

そんなわけで『フック』というタイトルから骨身に染みたピーターパンものだというのは一目で分かったし、フック船長にフォーカスしたちょっとダークな内容か?などと思いつつ観始めた。

…そしたら全然!フック目線でも何でもなくて、なんと大好きなロビン・ウィリアムズの中年ピーターパンが主人公…!

大人でも設定やら展開やらに合点がいくぐらい上手くまとまってたとは、お世辞にも言えないかもしれない。アイディア自体は面白いし子供でも楽しめる内容だとは思うけど、いかんせん長い…とか色々気になるところもありつつも、でも、まぁいいじゃない!と言えるような良さはあったかなと。とにかくいろいろと微笑ましくて。ピーターパンというよりも、むしろ身体を張るロビン・ウィリアムズに対してがんばれ〜という気持ちで観てた。笑


観終わってみてふと「じゃあなんでタイトルは『フック』だったんだろう?」と思う。

それはピーター・バニングとして生きるピーター・パンが忘れかけていた本当の幸せに気付くためのきっかけ、“フック”になったのがフック船長の存在と今回の所業であり、この作品が僕ら観客にとっても本当の幸せに気付くための“フック”になりますようにとの願いが込められているのではないかと思った。

嫌味を言うんじゃなしに、こういうのを恥も外聞もなく真正面からやれるところがスピルバーグの良さで、スピルバーグらしさなのかなーと。

そして最後にひとつ、マギーがとびきり可愛かった。
Keigo

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