千年女優

エミリー・ローズの千年女優のレビュー・感想・評価

エミリー・ローズ(2005年製作の映画)
3.5
大学進学を期に寮での暮らしを始めた19歳の女子大生で、転居直後から不可解な幻聴や厳格に苛まれて精神に支障をきたし、医学的治療を受けるも改善の兆しをみせないエミリー・ローズ。それを悪魔の仕業と断言する地元の神父ムーアの悪魔祓いも空しく死亡した彼女を巡ってムーアを疑う警察による訴訟の一部始終を描いたホラー映画です。

ホラーを中心に活動の場を広げるスコット・デリクソンが、ドイツで実際に起こったアンネリーゼ・ミシェルの事件をモチーフに制作した2005年公開の作品で、批評家からは賛否両論あったものの話題性の高さから多くの観客を劇場に誘って1.5億ドル弱の興行収入を記録。後に『ドクター・ストレンジ』ら大作手掛けるキャリアの礎としました。

後に『死霊館』でも扱われる「悪魔のせいなら無罪」ものではあっても実話ベースとあって娯楽劇とはせず、法廷を通してシリアスなトーンで事件を追います。作品のスタンスが神父側であるためにどちらに振れるのかのサスペンスに弱さはありますが、エミリー演じるジェニファー・カーペンターの熱演が重みと説得力を与えている一作です。
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