まちゃん

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラのまちゃんのレビュー・感想・評価

3.7
フランケンシュタイン対地底怪獣の姉妹編だがどこか怪奇映画の雰囲気もあった前作とは違い、今作は完全な怪獣映画だ。ただアトラクション化した他の怪獣とは違って今作のガイラには生々しい恐怖感がある。ガイラは人間を食べるのだ。漁船の船員を追いかける冒頭シーンから始まり、海の底に潜むシーン、羽田空港で女性を食べて服を吐き出すシーンなど人間を獲物として狙うガイラは極めて凶悪だ。一方のサンダは対照的で心優しい性格だ。研究所で育った為に人間を食べるガイラに批判的でやがて二頭は激しく闘う事になる。クエンティン・タランティーノがキル・ビルの参考にした二頭の格闘シーンは大迫力で映画好きなら見逃せないと思う。ラストシーンの海での格闘は背後の激しい自然描写も素晴らしく印象的だった。もう一つ今作の特徴は自衛隊の活躍シーンの多さだ。ガイラを倒す為の作戦準備は緻密に描かれていて怪獣映画には珍しいリアリティがある。66式メーサー殺獣光線車のシーンは吹き飛ぶ木々の描写など細かい特撮演出がなされて迫力ある魅力的なシーンだった。昭和の東宝怪獣映画を代表する傑作だと思う。
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