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フラワーズ・オブ・シャンハイの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.0
19世紀末上海の遊郭を舞台にした、裕福なパトロン男性らと遊女らの人間模様、群像劇。ほぼ 1シーン 1カット(全約 40 カット、1カット平均約 3分のやや長回しコレクション)、全屋内ショット、全ミドルショット。これにより、大きく揺れることのない安定したムードと、ゆったりとした時間の流れが醸成されている。これがそのまま本作の大きな特徴であり、魅力(同時に単調さという欠点にもなっている)。加えて、美術(大道具、小道具ともに)と演出が、当時の遊郭を完璧に再現。一方で、物語は面白みに欠け、人物に感情移入することもなく、基本的にランドスケープ映画、ムード映画。エキゾチックで懐古的、若干官能的で退廃的な情景と雰囲気に浸るのが、本作の楽しみ方であり、この点ではある種のエクスプロイテーション映画とも言える。胡弓?による保続音をシンプルにハーモナイズさせた劇伴がとても印象的で、この映画のエキゾチックで若干官能的なムード作りに大きく貢献している(日本人作曲家のようだ
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