マーティンルイス

マトリックスのマーティンルイスのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.5
Virtual insanity

本シリーズの根底にある夢と現実の違いとは、なにが信じるに値するかという現実性の差であり、人間のちっぽけな認識だけが隔たりであると考えさせられる。しかし、作中でネオが覚醒していくように、信じる力こそ人間の強みであり、如何なる環境下で生きるための本筋であるという矛盾にも思えた。
また、本作のもう一つの魅力は運命論と因果論の構造である。ネオの運命は預言者から救世主ではないと宣言されつつも、モーフィアスを助けるという選択によりその運命を変えてゆく。これは一方が正で他方が偽ではなく、両者が存在することで成立するというバランスこそ、あらゆる物事の本質であると感じられた。

人間の深層心理を描いたストーリーと最先端の映像技術、他作品とは一線を画すアクションや音響…
あらゆる点で時代の先を行く映画。
マーティンルイス

マーティンルイス