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マトリックスの3110133のレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
2.5
かつての金字塔も陳腐に映るのは・・・

久々の投稿となってしまった。ネトフリのおかげでレビュー待ちの山。
重い筆を進めるために、気軽に書けるものから書こう。

この映画が公開当時、とてもセンセーショナルだったことは覚えている。子どもだったわたしは、学校で友人たちとアクションをマネして遊んだり、ない知識なりに考察じみたことをぶつけ合ったりした。

私たちが生きるこの世界はシミュレーションに過ぎない。世界観が根底から揺さぶられる感覚と、その世界に囚われている以上はそれがシミュレーションであることを証明できないというジレンマ。
スタイリッシュで「新しさ」を感じるアクションとアジア的なもののアイテムは、当時純粋に楽しめた。
この映画がSFのひとつの金字塔とみなされたとしても異論はなかった。

しかし、2020年も半ばを過ぎたいま観た時に、ずいぶんと印象が違った。
シミュレーションから目覚めるというテーマは、明らかに政治的である。それもとても陰謀論的な。危険思想のにおいでクラクラする。
そのように当時は受け取れなかったのは、わたしが幼すぎたせいだろうか。
アクションは必要以上に長く、多い。娯楽なのだからあっていいのだろうけれど、ドラゴンボール的間延びへのオマージュかと。
それでも物語の真に迫るアクションもあるのだし、必要以上のヨロコバシを再編集すればすっきり観れるのかなという印象を持ってしまった。

例え公開から時間が経った映画で、時代的古さを感じたとしても、作品としては陳腐化しないものはある。それらと比較するとこの映画は陳腐に思う。

で、このひと作品だけだとその程度なのだけれど、一応三部作として残りふた作品も含めると、少し異なったことも思ったので、それは改めて書いてみたい。
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