緋牡丹シリーズ最終作にして、
「任侠ヤクザ映画」としても実質的に最終作(このシリーズの終焉と共に任侠ブームは一気に衰退した為)。
いわゆる「完結編」的な副題は打たれていないが、藤純子の引退発表が1971年11月、この映画の公開が1972年1月となっているため、実質的に「最終作」として撮影されたものだと思われる。
シリーズ初期から、中核を担ってきた堂満一家のおタカさんが病床に倒れる所から始まり、四国の大親分がなぜかブタ箱に入っていたり(爆笑必見)、シリーズの最終作らしい展開が続き、どこか哀愁が漂う。
また、「任侠ヤクザ映画」というジャンルではあるものの、やがて訪れる「実録ヤクザ映画」への伏線かのごときストーリーラインが随所にみられ、それは松方弘樹の出演で更に色濃く見栄隠れしている。
菅原文太も漢も更に磨きがかっており、ラストシーン直前のお竜さん、四国の大親分、文太の三つ巴は、カタルシスが爆発する事は必死!
唯一、最悪なのは、不死身の富士松を始め、全作通じてお竜のサポート役を演じていた持田京介を悪役に据えてしまった事。この罪は大きい。