P-FUNKやリー・スクラッチ・ペリーの宇宙船、デトロイトテクノ、あるいは冨田勲、もしくは一部のアンビエントミュージックなど、「宇宙を志向する音楽」を考えるにあたって、その源流たるサン・ラーについてより深く知りたくてDVDを購入した。結果的に言えば、その大半を理解できかなったので、やはり現物を手にしたのは正解だった。
サン・ラーの演説の情報量、音楽が紡がれていく瞬間まで捉えた貴重さから、何らかの霊感を求めて繰り返し、繰り返しこの映像に立ち返ることだろう。
初見での感想としては、サン・ラーがアーケストラの面々に具体的な指示を出しながらアンサンブルを構築していっていることに驚かされた。規律と正確さを重んじるスタンス、音楽において何よりオーケストレーションを重視していた点が意外でもあり、個人的な話をすれば、このシーンがサン・ラーという作曲家の深淵さに初めて具体的に触れられた瞬間でもあったのだと思う。
映像があることで、サン・ラーの音楽に対する想像力の足場を得ることができる点も、この作品の価値だと思う。