あやの

渚のシンドバッドのあやののレビュー・感想・評価

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)
3.3
ハッシュ!が好きだったのでずっと観たかったやつ。

岡田義徳とあゆ凄く良かったな~。
あゆは女優としてもやっていけたんだろうなと思った。今ほど大きい存在になったかは分からないけど。


序盤からじっとり暑苦しく、匂い立つ色気。
邦画だ~という感じ。


感情を剥き出しにして対峙する瞬間の緊張感。
どれもこれもヒリヒリする。
ビクビクして観てた。
彼らの関係性どうなるんだよ、て。

伊藤と吉田のシーン(特に告白後の教室のとこかな)、
吉田と相原のシーン、
何よりクライマックスの三人のシーン全部がその最高潮だけど、
今考えると多くの会話シーンに起爆剤があったなぁ。
日常でも感じる、
なんだコイツ?て不快感、
うわ目の前でケンカ始まりかねないピリピリが流れてる、みたいな居心地の悪さ。
繊細な高校生だからより一層観てて怖かったような。
傷つくのが目に見えてるから。



昔の作品観るとホモ、て単語をよく聞く。
100%侮蔑の意味合いだと思う。

現在もたいそうな事は言えないだろうけど 、
~2000年代か2010年代って、
多様性を理解、尊重どころか存在すら認知されてなくて、異端として排除されていたと思う。

私が小さい時とかちょっと前って、今よりも価値観がガチガチに固定化されていて、
だからこそ色んなハラスメントやジェンダー感の違いは目をつむるのが普通だったし、
例えばカリスマ的存在や流行ってるドラマがあったら皆の価値観の基準になったり皆観たりした。
NOとは言いづらかったよなぁ。
多数派=普通が正義だったから。

何が言いたいかというと、当時のLGBTQ事情は本当にしんどかっただろうなぁという…
男子高校生がからかうシーンとか、好きな子に陰?で変態呼ばわりされてるとことか、残酷でキツかった。


でもキツいシーンだけじゃなくて、
相原と伊藤が仲良くなる過程のあーとかうーのくだりや、
何よりみかん畑の話をするシーン!はめちゃくちゃめちゃくちゃ可愛くて和んだし、


個人的にムカつくお調子者の友達と、吉田の彼女、この2人がお互いを気遣い合う関係が良かった。
ここは現時点では友情だけど、私は相原と伊藤も友情だと思うなぁ。
映画としては友情でいてくれ。素敵だから。

クライマックスの感情ぶつけ合いシーンはキツイけど、相原が2人に砂かけて抱きしめるシーン、本当に素敵だったなぁ。

蛇足ですけど、堂々と下手なカツアゲする性悪クソ女やば 😂
あらすじ、6人の男女の…て、お前はメインに入るなよ😂
あやの

あやの