似太郎

渚のシンドバッドの似太郎のレビュー・感想・評価

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)
4.6
【一人じゃないっていいよね☺️】

役者同士の距離感というか息遣いが聞こえてきそうなリアリティがある作品。映像に妙な生々しさを感じる橋口亮輔の出世作。

LGBTを題材にした監督自身の赤裸々なスタンスが、すでにこの頃から確立されている。この監督はこれと『二十歳の微熱』と『ハッシュ!』は良かった。『ぐるりのこと。』辺りから作風がベタになってくる。

浜崎あゆみの映画デビュー作品。この頃から演技は上手い。主演の岡田義徳もゲイっぽい風貌でキュートな存在感を発揮。この監督は現実界の制度への懐疑心や共同体(人との繋がり)を求めるテーマが根底にあるらしく毎回そういった台詞を直接役者に言わせるのが特徴。

全体的に人懐っこい作品なので妙に惹かれる要素があり、最終的に「人間」に生まれてきて良かったと思える作りでとても朗らか。鑑賞後は清々しい気分になる。

やはり監督自身がゲイだから人付き合いに拘ってるのかなー? どことなくネチネチとしたしつこい作風がペドロ・アルモドヴァルに似てる。
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