佐藤克巳

帰らざる波止場の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

帰らざる波止場(1966年製作の映画)
4.0
日活ムードアクションの佳境期を過ぎようとしている頃の江崎実生監督の秀作。その反対に浅丘ルリ子の美しさはどんどん増していき本作も彼女への依存を強めている。定石どおり石原裕次郎に暗い過去を背負わせただけでなく、浅丘にも疑いを匂わす技巧と、能動的で無いヤクザ組織で見えない射撃手の脅しが効果的だったし、アクションシーンに清順の影響が観られた。重厚感ある志村喬の刑事は嘗ての大坂志郎とは一味違った。
佐藤克巳

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