Ginny

隠し砦の三悪人のGinnyのレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
4.0
面白かった…!
午前10時の映画祭で鑑賞。

何も知らずに見に行ったので、最初左側の人が三船敏郎かな?こんな役も演じるのか〜と思ってたら違った笑
本当に三船敏郎が出てくるシーンは「構図の天才か?!!?!」とまたまた黒澤明に慄きました。
凄すぎる〜。
カメラワーク、人物の動き、配置、殺陣の動き、群衆の見事なまでのリアリティ。
凄みのある眉間の皺、額に浮かぶ玉のような汗、逞しい腕と脚。
姫の気品と気高さと心の強さが溢れた眉の角度と瞳。
絶妙な笑いとシリアスのバランス、見るものを引き込み続ける展開。

凄すぎて姫の本心の告白?と 「裏切り御免!」からのシーンで涙が込み上げました。
素晴らしいものを見ると胸が震えて涙が出てくるんです。
裏切り御免かっこよすぎていつか使いたいです。

姫の顔つき最高だな、と思って見ていて喋ってるのを聞いてズコーってなったのですが調べたらなるほどこれがデビュー作だったのですね。
喋りはともかく表情の演技は素晴らしかったので ご本人が早めに諦めたの少しもったいのうございます。

百姓2人は、ペレグリントゥックとメリアドクブランディバックかい!の気持ちで見てましたが、エントの森的な展開もなくブチ切れ一歩手前まで行きましたが、最後まで憎めない感じでした。
姫、真壁、女との対比でまたいいんですかね。
女のその後を知りたい!
私の妄想では真壁が嫁に貰います。

オープニングで役者の名前も出るので、黒澤作品でお馴染みの人がこの映画ではどんな役で出てくるんだろう?と楽しみになります。
ウェス作品みたい。(ウェスは黒澤リスペクトなのかな?)

映画本編が終わってから、現代では憚れられる表現がありましたが制作陣にリスペクトを表してオリジナルのまま上映しました、という旨の字幕が出ました。
ありがとうありがとうありがとうありがとうございます(>人<;)
オリジナルが見たいのです、当時の息吹を感じたいのです。問題シーンを無かったことにしたり、リメイクで描き直すのはあまり私は好きではないです。

本作を見ながら改めて映画って良いなと思わされました。
時を超えて味わえる。
こんなかっこいい人がいたなんて、こんな面白い映画があるなんて。色褪せず輝き続ける映画を味わえる喜びを噛み締めました。

老女の演技がツボでした。

私は黒澤映画は現代劇の方が好きかなと今まで見てきた中で思ってまして、多分…現代劇は社会風刺もありのシリアスで時代劇はエンターテイメント性に寄ってるのかな?なんて考えました。
Ginny

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