Disney+の月額料金(お布施)の元を取る為に。未鑑賞だったピクサー作品のこちらをチョイス。
スコットランド、ダンブロッホ王国の王女メリダは活発な性格で自由を愛する弓の名手。しかし母エリノア王妃は、彼女を立派な王女に育てる為、日頃から口喧しい。メリダは森で出会った魔女に自らの運命を変えたいと申し出る。魔女の用意した魔法のケーキを一口食べたエリノア王妃は、大きな熊へと姿を変えてしまう—— 。
どうやらあまり評判が芳しくないのも頷ける。
恐らくピクサーの製作陣は、メリダの長く複雑に絡み合った赤毛をCGで描きたくて仕方がなかったのだろう。
「どうだ〜?こんな複雑な髪型をCGで描けるんだぜ〜?」とでも言いたい気持ちが全面に出ている。
ディズニー作品全般にも言える事だが、アニメーション技術を殊更に自慢したいのだろうか、とにかくキャラがわちゃわちゃと動き回り叫び回りうるさい。メリダの三つ子の弟達や、メリダの婚約者候補として訪れる3人の領主とその息子達、果てはメリダの父親。つまり国王までもうるさい。
熊になってからの王妃も、何かと物にぶつかって、倒す、壊すの繰り返しで、ここもまたガチャガチャとうるさい。
ジブリアニメをご覧なさい。
宮崎駿はキャラクターに無駄な動きはさせないよ。
メリダは自分の運命を変えたかったのに、「母の考えを変えさせてくれ」と魔女に頼む。そして、熊の姿に変えられた王妃。
そんな母を目の当たりにして、メリダが魔女の所為だとばかり宣って、自らの過ちを認めない事も気に食わない。魔女からは「二度目の日の出を迎えると魔法が永遠に解けなくなる」と聞いているのに、「明日考えない?」などと呑気な事を口にする始末。
え ! ?
お 前 の 所 為 や ろ ? ?
時 間 も な い や ろ ? ?
恐ろしい程に他責。メリダが反省するのは随分と終盤になってから。こんな主人公、好きになれるか!!
母と娘の失われた絆を取り戻すプロットが本筋ではあるが、メリダに魅力がないので惹きつけられない。弓の名手という設定もさして活かされず。
ピクサーも木から落ちる。
映像がどれ程美しかったとしても、キャラクターにもストーリーにも魅力がなければ、映画としては二流、三流でしかない。