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ショーシャンクの空にのNMのネタバレレビュー・内容・結末

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この服役者たちはその日を生きることで手一杯、もしくは考えないようにして暮らしている。
そのうち徐々に生きる希望は削られていき、外に出たいとか更生したいとか前向きな気持ちもなくなっていく。いざ外に出るとどうしていいかわからず、今までは考えずに住んでいた自分のこの先の人生に改めて絶望する。
そんななか生きることを諦めなかった男と、彼に救われた男の物語。
シンプルでわかりやすいストーリー。


若くして銀行副頭取のアンディー・デュフレーン。
妻と浮気相手を射殺したとして終身刑になった
確かに殺したいぐらい憎んだが殺人までした覚えはない。
しかし無実を証明できず収監。

人生は一転、鎖に繋がれショーシャンク刑務所に入所させられたアンディー。
その様子を長年服役している男・レッドが見つめる。

1947年。収監された人間は動物のような扱い。
刑務官からは問答無用で怒鳴られ殴られる。医療体制も不十分でそのまま死に至ることも。
全身をホースで洗われ消毒されたあと全裸で房まで向かう。尊厳などない。
絶望した新人はその恐ろしさで必ず初夜に泣き出す。

アンディーは一人でただ静かに日々を送った。
だが長身で上品な彼はもちろん別の暴行も頻繁に受け、毎回抵抗したため生傷が耐えなかった。
誰も彼を助けてやれない。

ある日長調達屋であるレッドに、ロックハンマー(手のひらサイズのつるはし)の調達を頼む。
鉱物が好きだから趣味のために欲しいと。
レッドと初めて会話した。

2年後。
鬼刑務官の私語を耳に挟んだアンディーは、知識を活かし減税の手伝いをしてやった。
その褒美に作業仲間のレッドたちにビールを飲ませることに成功。
アンディー自身は事件の夜以来酒を断っている。ただつかの間の平和を得たかっただけだ。

レッドたちは彼を信用し、彼に助けられた鬼刑務官たちも少し態度が変わったようだ。
他の刑務官もぞくぞくと財務相談に来るようになった。

所長にも認められ、キツい洗濯係から図書係に移動してもらったアンディー。
囚人たちに本を配るのが仕事。
同僚は心優しい老人ブルックス一人。50年もここで暮らしており、図書室内でカラスを飼う許しまで得ている人物。
アンディーは所蔵を増やそうと予算の依頼を州議会に毎週送ったが、返事はなかった。

そのブルックスに仮釈放が降りたが、穏やかな彼がパニックを起こすほど外に戻るのを怖がった。
彼は仮釈放委員会から部屋とスーパーの仕事を与えられたが、その他のフォローは特になさそう。
慣れることができず孤独な日々を送ったのち、自ら命を断ってしまった。

彼からの手紙を受け取ったアンディーたちは悲嘆に暮れた。自分たちの行く末とも重なっただろう。
少しずつ希望を奪われていく生活。

手紙を送り続けて6年、ついにたくさんの本が送られてきた。
アンディーはオペラのレコードを見つけ、スキを見て館内放送で流した。
またしてもつかの間の平穏を得、満足そうなアンディー。
懲罰房に2週間入れられたが、頭の中にモーツァルトを連れて行ったので平気だったようだ。
アンディーは図書館を利用し服役者たちに高卒の資格を取らせたが、それも見逃してもらえた。

順調なアンディーを見て、レッドは「ここで希望を持つことは危険だ」と忠告する。
ここに来てレッドは30年、アンディーも10年経った。

所長は、服役者を公益事業に従事させるプロジェクトを始めた。
入札でほかを圧倒するので、困った業者たちは彼に賄賂を送った。
信用を得ているアンディーはその秘密の会計を手伝った。

窃盗罪でトミーという若者がやってきた。明るい性格でアンディーたちの仲間に加わった。
読み書きもできないが、妻子のためにも高卒資格を取りたいとアンディーの指導のもと頑張った。
結果無事合格。

そのトミーはアンディーの罪状を知って、あることを思い出した。
別の刑務所にいたときある男が、男女を殺したが銀行の副頭取である夫が捕まったんだ、と語っていたことを。

それを聞いたアンディーはすぐに所長に訴えるが、所長はアンディーを手放そうとせず聞く耳を持たない。
理由もなく一ヶ月も懲罰房に入れられた。
その間トミーを、逃亡を図ったように見せかけ射殺。
トミーの死を知り流石に落ち込む。
会計を辞めたいと言ったが、脅されて辞められない。

レッドは一度も仮釈放が降りず人生を諦めていた。
どうせここから出られないからお前も希望を持つなと。
しかしアンディーは、俺は太平洋に面したメキシコのビーチでホテルを開きたいと語る。
そして真剣な様子でレッドに、仮釈放になったらここに行け、とある場所を伝えた。

ある朝、アンディーの姿は消えていた。
「退職金」をもらって。
警察とマスコミがショーシャンクに殺到。所長は一巻の終わり。
仲間たちは彼を懐かしんで語り笑いあった。

服役40年。仮釈放の審問を諦念の態度で受けたレッドは、ついに許可を得た。
用意されたのは故ブルックスと同じ部屋、同じ仕事を得たレッド。
彼と全く同じ心境になり、住み慣れた刑務所へ戻りたくなった。

だがアンディーとの約束を思い出しその場所へ向かう。
そこにはアンディーからの手紙があり、希望に満たされたレッドは彼のもとへ旅立った。

Fish......新人のこと
原題:The Shawshank Redemption ショーシャンクの救済
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