アニマル泉

ショーシャンクの空にのアニマル泉のレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.2
フランク・ダラボンは決定的ショットが撮れない監督だ。特に引きが撮れない。ただし俯瞰ショットが好きで、前半のショーシャンク刑務所全貌、アンドリュー(ティム・ロビンス)がハドリー主任刑務官(クランシー・ブラウン)に初めて取り引きを持ちかけて屋上から突き落とされそうになる真俯瞰、アンドリューが嵐の中で川で夜空へ両腕を突き上げる真俯瞰、そしてラストカットの空撮だ。
アンドリューとレッド(モーガン・フリーマン)か並ぶ場面が多い。刑務所の中では目線が合わせられない。壁を背に並んで座る、作業で並んで立つ。ひとたびノートン所長(ボブ・ガントン)やハドリー主任に向き合おうものならばリンチされるか殺される。向き合うことは命がけになる。本作は「並ぶ」映画なのだ。
刑務所ものならではの主題が「調達」「賄賂」「男色」だ。煙草がお金がわりの貴重な通貨となる。ピンナップ・ポスターも重要な小道具だ。リタ・ヘイワース、「ギルダ」の上映会もある、マリリン・モンロー、ラクエル・ウェルチ。そして聖書。それぞれの活かし方が素晴らしい。
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