寝るのだいじ

ショーシャンクの空にの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

冤罪で終身刑が下った男性が、地道に自分の知識を生かしながら周囲の人に好かれ、穴を掘り、脱獄に成功した希望の話。

アンディは銀行員としてもかなり優秀で博識だったから、法の穴も見つけて上手くあらゆる手続きができたと見てとれた。真面目で努力家なのは元々らしかった。

自分の知識を生かして、この不遇で閉鎖的な世界に少しでも希望を増やそうと、まず自分が税処理をする代わりに仲間にビールを与えた。
その後も独自のゆるぎない世界観を話したり、本や教養は生活を豊かにしてくれるものだと国に訴え続けたり、聖人のようだった。

よく刑務所に入りたいから事件を起こした、という供述をニュースで見かける。安定し規則正しい生活を無料でできるのだからそれはそうだと、安直に思っていた。
しかしいざ入ってみると、そこで作れた人間関係も身に付いた慣習も、実社会では生かせないもので、いわば社会出られない人を育てる場所にもなっていることが本作品からわかった。
長年外からの情報もなく同じ日々の繰り返しでは、浦島太郎状態になるし、玉手箱という気の利いた物もないので、釈放には絶望しかない。
その現実もわかっていた上で、常に心を腐らせまいと、小さなハンマーで穴を掘り、不正手続きを自分の退路用にしていたり、友人が移動できるようお金を用意したり…知識と見聞の広さは心の豊かさに繋がり、人に与えることで素敵な人生を送れる人を増やせるのだと見せられた。
常にあらゆるものに目を向けて、勉強を怠りたくないなと、背筋が伸びる。