本当の絶望など存在しないと彼は教えてくれた。
その刑務所にいる者は皆口を揃えてこう言う
「俺は無実だ」と。
であるから、主人公アンディが同様の言葉を口にすることも、そこではさして珍しいことではない。
ある日ショーシャンクの刑務所に、妻と浮気相手を殺した罪で無期懲役になった男アンディが入所してきた。
受刑者同士のイジメ、看守による厳しい懲罰が蔓延るそこは、人生の落伍者が集まる地獄であった。
そんな世界でも、いやだからこそ受刑者達は役割を持つ。
小さな世界の中で、自分が少しでも楽しく生きられるよう、自分のために役目を果たす。
調達屋のレッドもその1人だ。
彼は、検閲の厳しい刑務所で、何でも手に入れられる術で自己を堅持していた。
そんなレッドとは裏腹に、アンディは人のために行動を起こす。
看守へ知識を与えることの代わりに、受刑者仲間達にビールを施してもらう。
図書館の充実のため、手紙を書き続ける。
学のない受刑者達に学問を教える。
彼の行動は次第に周囲を変えていく。
欲望に身をまかせる看守達を除いて…
本作は、最も非現実的シチュエーションでありながら、私たちに現実を教えてくれる作品である。
恐らく多くの観客は、アンディ含め、受刑者たちに降りかかる理不尽達に腹をたてる。
そして、そんな中でもひたむきに生きるアンディに胸を打たれる。
そして物語は突き抜けるように収束していく。
この全ては現実で安安と遭遇できるものではないが、ある意味で普遍性を帯びている。
正しくあるべきものは間違いだらけだし、誰だって井の中にいれば蛙であり得、そして、いつだって死は突然だ。
だから、本当に現実的でないのは、理知的で、最後まで希望を夢見れるアンディだろう。
人は諦める。
大人になるとは諦めることだ。
生きるために必要なことだ。
誰も責められない。
ただ、映画を観る意味は、そんな忘れてしまった感覚を、ほんの少しでも取り戻すためであってもいいのではないだろうか。
劇的なことは起こらない。
だからこそ、大人になってしまった人に送りたい一本だ。
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