cinemakinori

ショーシャンクの空にのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
5.0
🎍謹賀新年🎍
2022年もよろしくお願い申し上げます。


毎年、新年一発目は不朽の名作を観る事にしており、昨年は【フォレスト・ガンプ一期一会】、そして今年はフォレストガンプと同年公開作品のもう一つの名作
【The Shawshank Redemption】を選択。




⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️

もはや観ていない人の方が少ないであろう作品なので、
〈ネタバレあり〉での再投稿となります。

⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️





もう何回観たか不明すぎる名作中の名作。
これほどまでに歳を取って観れば観るほどにその素晴らしさを感じることの出来る作品はそうは無い。


テーマは
“冤罪”と“贖罪”
そして
“絶望”と“希望”


ひたすら刑務所内での男臭いヒューマンドラマが延々と続く地味なドラマにもかかわらず、とんでもなく惹きつけられ、驚愕の展開とクライマックスはスペクタクルアクション映画並みのスリリングさと爽快感。
数々の伏線と回収、そして本編でも重要な鍵となる“聖書”による教えと回答の見事な演出は、もはや映画そのものがholly bibleと言って良い位に私にとっては人生の教典のような作品。


“必死で生きる”か“必死に死ぬか”

このフィロソフィーは、作品を振り返る毎に自分なりの解釈が変わる。
これもこの作品の最大の魅力のうちの一つ。
シンプルなセリフでいて実に奥が深すぎて、世代によっても解釈が異なるこの名言は正しく聖なる書に匹敵する程の教えであり、各々の解釈に委ねられているフランク・ダラボンの粋な計らいが長けている台詞の一つだろう。




“外では真面目人間だったのに服役して悪党に”

デュフレーンが冤罪という事のエビデンスにもなり得るこの台詞もまた、非常にシニカルであり、この作品の胸アツな驚愕展開の為の最大の伏線的言葉だろう。
真面目さが全ての逆転劇への武器となり、希望への架け橋となるこの台詞とデュフレーンの行いは、執念と信念と希望に満ちた実にドラマティックなストーリーだ。



“主の裁きは下る いずれ間もなく”

全てはこのヨハネの黙示録に始まりこの言葉に終わると言って良い程の神学的描写とそれを尊ぶ展開と結末。
信仰心とは別次元の、因果応報的ヒューマニズムが凝縮されたメッセージが、一切押し付けがましくなく、それでいて否応なしに後ろめたさをもつ大人たちの心に幾重にも突き刺さる教えとなっている事から、世界的にも評価され続けている所以となっているのかも知れない。


そして、更なるこの作品の魅力の一つといえば、モーガン・フリーマン演じるレッドの存在とそのストーリーテリングだろう。
彼の数々の助言や立ち位置こそ、デュフレーンの存在と行動(偉業)が引き立ち、対比としてとても重要となっている。

“希望は危険だ
希望は人を狂わせる
塀の中では禁物だ”

このレッドの開悟的な助言こそ、あの素晴らしいクライマックスを一層引き立てる絶望と希望の対比を表す奥深い名言だろう。




何れにしても
細かい矛盾など突っ込む事自体が愚かと思える程の名作であることは間違いない。
シンプルに心を揺さぶられるし、希望とは何か?改心とは何か?冤罪と贖罪をテーマに深く深く考えさせられる極上のヒューマンドラマであり不朽の名作。








“希望は素晴らしい”
cinemakinori

cinemakinori